曳山は、本体部分と台車の部分とで出来ています。台車には、四つの車がつけられていますが、そのものは固定されていて、曲がるときには、梶棒をてこにして回転させています。本体は、粘土形を作り、その上に和紙を糊で何枚も重ねて貼り、形をつくって、粘土をかきとり、内側に竹や木で枠をつくります。和紙は百枚以上も重ねられています。糊も「蕨のり」といった特別に作られたものです。その上から、漆を塗り重ねて堅めその上に麻布を漆で貼り、最後に金箔などを張って仕上げています。勢い良く、引き回すために、台車は欅などの重い材質のものが選ばれ、本体も大きさの割には軽い紙に漆を塗ったものが使われたのではないかと考えられています。